多嚢胞卵巣症候群の鍼灸治療

多嚢胞卵巣症候群(PCOS)とは?

多嚢胞性卵巣症候群(PCOS)は、女性のホルモンバランスに問題が生じる病気です。この症状は、卵巣にたくさんの小さな袋(嚢胞)ができることが多く、月経(生理)が不規則になることが特徴です。PCOSの女性は、通常よりも男性ホルモン(アンドロゲン)が多く分泌されるため、顔や体に毛が増えたり、にきびができやすくなったりします。また、排卵が不規則になるため、妊娠が難しくなることもあります。

PCOSの主な症状

  1. 月経不順:月経周期が不規則、長期間の無月経、または過剰な出血が見られることがあります。
  2. 排卵障害:排卵が不規則になるため、妊娠が難しくなることがあります。
  3. 多毛症:体や顔に多毛が見られることがあります。これは男性ホルモン(アンドロゲン)の過剰分泌によるものです。
  4. 体重増加と肥満:特に腹部に脂肪がつきやすくなることがあります。
  5. にきび:皮脂腺の過剰活動により、にきびができやすくなります。
  6. 頭髪の薄毛:男性型脱毛症が見られることがあります。

PCOSの原因は?

PCOSの正確な原因は不明ですが、以下の要因が関与していると考えられています。

  • 遺伝的要因:家族にPCOSの既往がある場合、発症リスクが高まります。
  • インスリン抵抗性:体がインスリンに対して反応しにくくなると、インスリンレベルが上昇し、卵巣がアンドロゲンを過剰に分泌する原因となることがあります。
  • ホルモンバランスの乱れ:特にアンドロゲンやインスリン、LH(黄体形成ホルモン)などのホルモンの不均衡が関与しています。

鍼灸ではどんなことをするの?

1.ホルモンバランスの調整
鍼灸は体のエネルギーの流れ(気)を調整し、内分泌系のバランスを整えるのに役立ちます。特定のツボを刺激することで、エストロゲンやプロゲステロンといった生殖ホルモンのバランスを改善し、月経周期を正常化させる効果があります。

2.排卵の促進
鍼灸は卵巣の血流を改善し、卵胞の成熟を助けることで、排卵を促進します。これにより、排卵が不規則なPCOS患者でも排卵の頻度が増加し、妊娠の可能性が高まります。

3.ストレスの軽減
ストレスはホルモンバランスに悪影響を与え、PCOSの症状を悪化させることがあります。鍼灸はリラクゼーション効果があり、ストレスホルモン(コルチゾール)のレベルを下げ、全体的なストレスを軽減します。

4.インスリン感受性の向上
PCOSの多くの女性はインスリン抵抗性を持っており、これが症状を悪化させます。鍼灸はインスリン感受性を向上させ、血糖値の安定を助けることで、ホルモンバランスの改善に寄与します。

5.炎症の抑制
PCOSはしばしば炎症性状態と関連しています。鍼灸は抗炎症作用があり、体内の炎症を減少させ、卵巣機能をサポートします。

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