鉄は人体に必要なミネラルの一種で、成人の体内に約3~5%存在しています。
そのうちの70~75%は機能鉄として、赤血球中のヘモグロビンや、筋肉中のミオグロビンに存在していて、体内に取り込まれた酸素を全身に運ぶ働きをしています。
残りの25~30%は貯蔵鉄として、機能鉄が不足した時に備えて、肝臓や脾臓、骨髄、筋肉に蓄えられています。
「鉄欠乏性貧血」は、ヘモグロビンの合成に必要な鉄が欠乏しているため、赤血球中のヘモグロビンの数が少なくなり酸素の運搬が十分に状態になります。
他にも鉄は、神経伝達物質の合成や、エネルギー代謝、薬の代謝にも関与しています。
今日は特に女性にしっておいてほしい”鉄”について、かすみちゃんと勉強していきましょう!
鉄のはたらき
よく女性は鉄分を摂った方がいいと言われますが、どうしてですか?
鉄は日本人で不足しやすい栄養素のひとつで、男女共に汗や尿、便で体外に1日に約1㎎排出されているんだ。
さらに、女性は毎月の生理で約30㎎の鉄が失われたり、妊娠中には赤ちゃんの成長にも鉄が必要なので女性には鉄が大切なんだよ。
さらに、女性は毎月の生理で約30㎎の鉄が失われたり、妊娠中には赤ちゃんの成長にも鉄が必要なので女性には鉄が大切なんだよ。
鉄にはどんな働きがあるんですか?
鉄の主な働きは、タンパク質と結合してヘモグロビンとなって、酸素を全身に運んだり、二酸化炭素を回収すること。
それと、神経伝達物質(セロトニン、ドパミン、ノルアドレナリンなど)合成にも関わっているんだ。
それと、神経伝達物質(セロトニン、ドパミン、ノルアドレナリンなど)合成にも関わっているんだ。
そうなんですね。
神経伝達物資を作るのにも鉄が必要って知らなかったです。
神経伝達物資を作るのにも鉄が必要って知らなかったです。
鉄不足で起こる症状
鉄が不足していると、どんな症状がでてきますか?
鉄が不足していると、赤血球の中のヘモグロビンが減ってしまい、全身が酸素不足になるので、
疲れやすい、めまい、動悸、息切れ、立ちくらみ、頭痛などの症状が出てくるんだ。
さらに、酸素不足を補うために、交感神経の働きにより心拍数を増加させて、血液の循環量を増やすことで、酸素の供給を維持しようとするんだ。
交感神経の刺激は末梢神経の収縮や血行障害が起きるんだ。
疲れやすい、めまい、動悸、息切れ、立ちくらみ、頭痛などの症状が出てくるんだ。
さらに、酸素不足を補うために、交感神経の働きにより心拍数を増加させて、血液の循環量を増やすことで、酸素の供給を維持しようとするんだ。
交感神経の刺激は末梢神経の収縮や血行障害が起きるんだ。
その他にも、神経伝達物質の合成に関係しているので、気分が落ち込む、イライラしやすうなったり、急に不安になったり、やるきが出ない、うつなどの精神的な症状が出ることもあるんだよ。
鉄不足っていろんな症状が出るんですね…。
健康診断で私は貧血と言われたことがないから安心しました。
健康診断で私は貧血と言われたことがないから安心しました。
そうだね!、と言いたいところだけど、健康診断で貧血と言われていなくても鉄不足が隠れていることがあるので、完全に安心はできないんだよ。
隠れ貧血とは?
ど、どういうことですか⁉︎
一般的な健康診断では、「血清鉄」という血液中に鉄分がどれくらいあるかを調べているだけのことが多いんだ。
見出しにも書いたんだけど、体内に存在している鉄の70〜75%が機能鉄として血液中にあって、残りの25〜30%は貯蔵鉄として肝臓などに蓄えられているんだ。
分かりやすく言うと、機能鉄は財布の中身で、貯蔵鉄は預金通帳みたいなものだね。
お財布にしかお金が入っていなくて、預金額が少ないってのは不安だよね。
お財布にしかお金が入っていなくて、預金額が少ないってのは不安だよね。
預金が少ないのは不安しかないです!
貯蔵鉄がどれくらいか知りたいです!
貯蔵鉄がどれくらいか知りたいです!
貯蔵鉄は「フェリチン」という項目を検査すると知ることができるよ。
病院で検査してもらうか、自宅でできるフェリチン検査キットもあるので、どちらかで調べてもらうといいね。
病院で検査してもらうか、自宅でできるフェリチン検査キットもあるので、どちらかで調べてもらうといいね。
フェリチンの基準値はいくつですか?
フェリチンの基準値は幅が広くて、女性は5~120ng/mlとされているけど、30ng/ml以下では貧血症状が著名に現れたり、12ng/ml以下では鉄欠乏性貧血と診断されるんだ。
それにアメリカでは「フェリチン値が40以下では妊娠してはいけない」と言われるくらいで、フェリチン値が低いと卵の質が悪くなったり、着床しずらかったり、流産率があがるという報告もあるんだ。
本当に「鉄」って大切なんですね!
しっかり鉄を摂りたいと思います。
しっかり鉄を摂りたいと思います。
まとめ
- 鉄の主な働きは酸素の運搬。
- 男女ともに1日に1㎎体から排出されている。
- 1回の生理で約30㎎の鉄が失われる。
- 鉄が不足すると疲れやすい、めまい、動悸、息切れ、立ちくらみ、頭痛などの症状が出てくる。
- 鉄は神経伝達物質の合成に関与しているので、気分が落ち込んだり、うつのような症状がでることも。
- 一般的な健康診断では機能鉄しか検査されていない。
- 体内に存在するの70~75%は機能鉄、残りの20~25%は貯蔵鉄。
- アメリカでは「フェリチンが40以下なら妊娠してはいけない。」と言われるほど鉄が必要。