妊娠初期に起こりやすい時期と、鍼灸で支えられる体づくり
妊娠が分かった瞬間の喜びと同時に、多くの方が「この妊娠は大丈夫だろうか」という不安がでてくるのではないでしょうか?
特に妊娠初期は、医学的にも流産が起こりやすい時期がいくつか存在し、一般的に「流産の壁」と呼ばれています。
不妊鍼灸整体かすみ堂では、妊娠を成立させることだけを目的とするのではなく、妊娠が継続しやすい体の状態を整えることを大切にしています。
ここでは妊娠週数ごとに起こりやすい変化と、その時期に鍼灸や日常生活で意識していただきたいポイントをお伝えします。

【第1の壁】妊娠4〜5週|着床の安定期
この時期の特徴
妊娠反応が陽性になったものの、まだ胎嚢が確認できないこの時期は、着床がうまく進むかどうかの大切な段階です。
少量の出血が見られたり、結果として化学流産となるケースもあります。
この時期の流産の多くは、受精卵の染色体異常や、子宮内膜の環境が十分に整わなかったことが関係しており、母体の行動が直接の原因になることはほとんどありません。
日常生活で気をつけること・できること
できるだけ体を冷やさないこと、無理をしないことが何より重要です。
薄着を避け、特にお腹や足元を温かく保ちましょう。
長時間の入浴やサウナ、腹圧がかかる激しい運動は控え、睡眠時間をしっかり確保することが体を守ることにつながります。
この時期は「何かを頑張る」よりも、「休むことも妊活の一部」と考えて過ごすことが大切です。
鍼灸での関わり方
鍼灸では、子宮や骨盤内の血流を促し、自律神経のバランスを整えることで、着床が安定しやすい体内環境づくりをサポートします。
妊娠を成立させる治療ではありませんが、体の土台を整える補完的な役割を担います。
【第2の壁】妊娠6〜7週|心拍確認の時期
この時期の特徴
胎嚢が確認され、次に目標となるのが心拍確認です。
この時期に心拍が確認できなかったり、一度確認できても成長が止まってしまうことがあります。
背景には染色体異常や黄体ホルモン分泌の不安定さが関係していると考えられていますが、同時に強い不安や緊張が体に影響を与えることも少なくありません。
日常生活で気をつけること・できること
この頃は、情報を集めすぎてしまい、不安が増幅しやすい時期でもあります。
インターネット検索やSNSとの距離を意識的に取り、仕事や家事も「いつも通りにこなそう」とせず、少し余力を残す生活を心がけてください。
横になって休む時間を意識的につくり、カフェインの摂取も控えめにすると体が落ち着きやすくなります。
鍼灸での関わり方
鍼灸では、自律神経の働きを整えることでホルモンバランスを支え、血流の面から胎盤形成初期の環境づくりをサポートします。
また、施術によるリラックス効果は、不安や緊張が強い時期の心身の負担軽減にもつながります。
【第3の壁】妊娠8〜9週|流産が最も多い時期
この時期の特徴
妊娠初期の中でも、8〜9週は流産が最も多いとされる時期です。
胎児の成長が止まってしまう稽留流産や、急な出血や腹痛を経験する方もいます。
この時期の流産の多くは染色体異常が原因とされており、避けることが難しいケースがほとんどです。
日常生活で気をつけること・できること
一方で、母体にとっては胎盤が作られていく重要な時期でもあり、体への負担が大きくなります。
つわりが強くなり、食事が思うようにとれなくなる方も多いですが、無理に食べようとせず、少量を回数分けして摂ることや、水分補給をこまめに行うことを意識しましょう。
体調の良い時間帯を選んで外出し、疲れを感じたら早めに休むことが大切です。
鍼灸での関わり方
鍼灸では、子宮や胎盤への血流をサポートするとともに、胃腸の働きを整えることで栄養吸収を助け、つわりによる体力低下のケアを行います。
妊娠初期の不調を和らげ、体が回復しやすい状態を整えることが目的です。
【第4の壁】妊娠10〜12週|安定期前の調整期
この時期の特徴
10週を過ぎると、胎盤が完成へと向かい、妊娠は次の段階に進みます。
ただし、この移行期は張りや出血などのトラブルが起こることもあり、まだ油断はできません。
体調が少し良くなってくる方もいますが、調子が良い日ほど動きすぎてしまう傾向があるため注意が必要です。
日常生活で気をつけること・できること
日常生活では、長時間同じ姿勢を避け、腰やお腹を冷やさない服装を意識してください。
軽いストレッチや深呼吸を取り入れることで血流が促され、体の緊張が和らぎます。
この時期も引き続き、「無理をしない」ことが体を守るポイントになります。
鍼灸での関わり方
鍼灸では、骨盤内の循環を整え、腰や背中の緊張を緩めながら、妊娠中期へ向けて体調を安定させるサポートを行います。
安定期にスムーズに移行できる体づくりを目的とした施術です。
まとめ
流産の多くは、どれだけ注意して過ごしても防げない要因が関係しています。
決して「自分のせい」と責める必要はありません。
その一方で、血流や冷え、自律神経、日常生活の負担といった部分は整える余地があり、鍼灸が力を発揮できる領域でもあります。
鍼灸は流産を防ぐ治療ではありませんが、妊娠を継続しやすい体内環境を整える補完的な選択肢です。
不安になる気持ちは、とても自然なことです。
にこれまでに流産を経験された方や、治療を頑張ってこられた方ほど、心配が大きくなるものです。
「こんなことで相談していいのかな」と思わずに、気になることがあればいつでもお話しください。
妊娠初期の体と心に寄り添いながら、サポートさせていただきます。