こんにちは、大阪府堺市の妊活鍼灸専門のかすみ堂鍼灸院です。
妊活において、女性の体調や生活習慣が注目されがちですが、
男性側の「精子の質」も、妊娠の可能性に大きく関与することがわかっています。
最近では、「精液検査で運動率が低かった」「数はあるけど質に問題があると言われた」という男性からのご相談も増えてきました。
この記事では、飲酒が精子の質に与える影響について、海外の大規模研究と、解剖学・ホルモン・東洋医学の視点を交えながら詳しく解説していきます。
1. 精子の質に影響を与える「飲酒量」とは?
▶︎ 注目の研究①(BMJ Open 2014)
デンマークの1,221名の若年男性を対象に行われた研究(Jensen et al., BMJ Open)では、次のような結果が示されました。
飲酒量(週単位) | 精子の質への影響 |
---|---|
1〜4単位 | 影響なし |
5〜14単位 | 精子濃度、精子総数の低下が徐々に確認される |
15単位以上 | 有意に精子濃度・運動率が低下。性ホルモンにも変化あり |
※1単位=ビール約330ml、ワイン120ml程度。
▶︎ 注目の研究②(Andrology, 2017)
イタリアの不妊治療クリニックに通う男性を対象にした研究では、
「毎日飲酒する習慣」がある男性の精子運動率が有意に低下していたことが報告されています。
特に、「毎日ビールを2本以上」飲む人では、正常形態率(奇形でない精子の割合)も有意に減少。
2. 飲酒が精子に与える具体的な影響メカニズム
■ ホルモン分泌への影響
アルコールは肝臓で代謝されますが、その代謝過程で生じるアセトアルデヒドが脳の視床下部・下垂体に影響を与え、以下のホルモン分泌に悪影響を及ぼします。
GnRH(性腺刺激ホルモン放出ホルモン)の低下
↓
LH(黄体形成ホルモン)、FSH(卵胞刺激ホルモン)の分泌低下
↓
テストステロンの低下
↓
精子形成能力の低下
■ 酸化ストレスの増加
アルコールの摂取は、活性酸素(ROS)の生成を増やし、抗酸化酵素の働きを抑制します。
この結果、精巣内で酸化ストレスが増加し、精子のDNA断片化や運動力の低下を引き起こします。
■ 睡眠・代謝リズムの乱れ
飲酒は深部体温のリズムやメラトニンの分泌にも影響し、体内時計の乱れから精子形成に必要なホルモンリズムを狂わせることも指摘されています。
3. 東洋医学から見る「酒」と「腎精(じんせい)」
東洋医学では、「腎は精を蔵す」とされ、腎の状態がそのまま精子の質・量に関わると考えます。
▶︎ 飲酒がもたらす東洋医学的な変化
飲酒過多による体内変化 | 東洋医学的な解釈 |
---|---|
肝機能の負担 → 怒りっぽさ・イライラ | 肝火上炎(かんかじょうえん) |
睡眠の質の低下 → 精神疲労 | 心神不安・陰虚火旺(いんきょかおう) |
腎精の消耗 → 精子形成力の低下 | 腎虚(じんきょ)・腎精不足 |
特に、長期にわたる飲酒は「腎陰虚」による精液減少、不眠、めまい、倦怠感などを引き起こしやすいため、妊活中は節酒・禁酒が推奨されます。
4. どこまで飲酒を減らせば精子は回復する?
精子の生成には約74日(約2.5〜3か月)かかると言われています。
したがって、禁酒しても効果が現れるまでには3か月ほどかかると考えてください。
回復のためのポイント:
禁酒または1〜2単位/週までに節酒
抗酸化作用のある食品(ビタミンC、E、亜鉛、セレンなど)を積極的に摂取
十分な睡眠とストレスケアを行う
必要に応じて鍼灸や漢方で体質改善
5. 鍼灸でできる精子力のサポート
鍼灸では、精子の質を向上させるための全身調整を行います。特に:
● 腎精を補うツボ
関元(かんげん):下腹部の生命力を高めるツボ
太渓(たいけい):腎の働きを活発に
命門(めいもん):男性の活力と生殖力の中心
● 肝気を整え、飲酒欲やストレスを抑えるツボ
太衝(たいしょう)
肝兪(かんゆ)
内関(ないかん)
ストレスで「ついお酒に頼ってしまう」方には、自律神経と情緒のバランスを整える施術も効果的です。
まとめ
飲酒量が週5単位以上になると、精子の濃度・運動率・形態に悪影響が出る可能性が高い。
飲酒はホルモン、精巣機能、DNAに悪影響を与える。
東洋医学では「腎精を傷める」「肝火をあおる」として、妊活中の節酒・禁酒を勧めている。
精子の改善には約3か月の時間がかかる。生活習慣+鍼灸でサポートを。
🍀ご相談ください:妊活中の男性に寄り添うサポート
当院では、男性妊活に特化した体質改善コースをご用意しています。
精液検査で悩んでいる
妊活中、生活習慣を見直したい
飲酒を控えたいがストレスが強い
という方は、お気軽にご相談ください。
男性不妊の鍼灸治療のページへ↓↓
👉 ご予約・ご相談はまたは[WEB予約]、[公式LINE]、[お電話]でお気軽にどうぞ!