~培養室で学んだPGT-Aについて~

先日、春木レディースクリニックの施設見学会に参加させていただきました。
診察室や検査室だけでなく、普段は一般の方が入ることのできない培養室も見学する機会をいただきました。
培養室では培養士の方から、顕微授精がどのように行われているのか、受精卵がどのような環境で培養されているのか、そしてPGT-A(着床前胚染色体異数性検査)について詳しく説明していただきました。
今回は、その中でも患者さまから質問をいただくことの多いPGT-Aについてご紹介したいと思います。
PGT-Aとは?
PGT-A(着床前胚染色体異数性検査)は、体外受精で得られた受精卵の染色体数を調べる検査です。
胚盤胞まで育った受精卵から細胞を採取し、染色体の異常がないかを確認します。
年齢とともに染色体異常を持つ受精卵の割合は増加するとされており、流産や着床不全の原因の一つになることがあります。

「細胞を採ると受精卵にダメージはないの?」
見学会で特に印象的だったのが、この疑問に対する培養士さんのお話でした。
PGT-Aでは、胚盤胞の外側にある「栄養外胚葉」と呼ばれる部分から細胞を数個採取します。
この部分は将来胎盤になる組織であり、赤ちゃんになる内部細胞塊とは異なります。
そのため、受精卵への影響を最小限に抑えられるように検査が行われています。
培養士さんからは、「現在の技術では受精卵への影響は非常に少ないと考えられている」と説明を受けました。

研究ではどのように考えられているのか
現在の生殖医療の研究では、胚盤胞期に行う栄養外胚葉生検は、適切に行われれば妊娠率を大きく低下させないと考えられています。
もちろん、どのような医療行為にも絶対はありません。
受精卵の状態や検査方法などによって影響を受ける可能性はゼロではないため、メリットとデメリットを理解したうえで検査を選択することが大切です。
一方で、現在のPGT-Aは受精卵への負担をできる限り抑えながら行われる検査として広く実施されています。
実際に培養室を見学して感じたこと
培養室では、一つひとつの受精卵が厳密な管理のもとで大切に扱われていました。
私たちが普段お会いしている患者さまの受精卵も、このような環境で培養されているのだと思うと、とても感慨深い気持ちになりました。
受精卵の背景には、ご夫婦それぞれの願いや努力があります。
だからこそ、私たちも妊活専門鍼灸院として、少しでも良い状態で治療に臨める身体づくりをサポートしていきたいと改めて感じました。
まとめ
PGT-Aは、胚盤胞の将来胎盤になる部分の細胞を採取して行う検査です。
現在の研究では、適切に行われた胚盤胞期の生検による受精卵への影響は非常に少ないと考えられています。
今回の見学会を通して、不妊治療の現場で行われている高度な技術や、それを支える培養士の方々の努力を知ることができました。
かすみ堂では、これからも最新の知識を学び続け、患者さまのお力になれるよう努めてまいります。
参考資料
- 日本産科婦人科学会「着床前胚染色体異数性検査(PGT-A)に関する細則」
- 日本産科婦人科学会「PGT-A臨床研究結果報告」
- ASRM(American Society for Reproductive Medicine)PGT-A Committee Opinion