「病院で遺残卵胞があると言われました」
「次の周期までに消えるのでしょうか?」
「遺残卵胞があると妊娠しにくいのでしょうか?」
妊活中、婦人科や不妊治療のクリニックで「遺残卵胞がある」と言われると、不安になってしまう方も少なくありません。
特に、採卵や排卵誘発を予定している方の場合、「今周期は治療を見送ることになった」というケースもあり、余計に心配になることがあります。
今回は、遺残卵胞とは何なのか、なぜ起こるのか、妊活への影響、日常生活でできること、そして鍼灸ではどのように考えていくのかを解説します。
遺残卵胞とは?
卵巣の中では、毎月いくつかの卵胞が育ち、その中から成熟した卵胞が排卵します。
通常は、排卵によって卵子が放出されると、排卵した卵胞は黄体へと変化していきます。
ところが、卵胞が十分に成長しても排卵せず、そのまま次の周期まで残ることがあります。
妊活の現場では、このような状態を「遺残卵胞」と呼ぶことがあります。
遺残卵胞は、排卵せずに残った卵胞などを指して使われることがあり、場合によっては機能性卵胞嚢胞と重なることがあります。
卵巣の機能性嚢胞は珍しいものではなく、多くの場合は自然に小さくなっていきます。ACOG(米国産婦人科医会)では、機能性嚢胞の多くは治療をしなくても機能性卵巣嚢胞の場合、多くは6~8週間程度で自然に消失しすると説明しています。
そのため、
「遺残卵胞がある=卵巣に異常がある」
とは限りません。
遺残卵胞があると妊娠できないの?
ここは非常に大切なポイントです。
遺残卵胞があるからといって、妊娠できないわけではありません。
自然に小さくなっていくものも多く、次の周期にはなくなっていることもあります。
ただし、遺残している卵胞の大きさやホルモンを分泌しているかどうかなどによって、次の排卵や不妊治療のスケジュールに影響することがあります。
特に体外受精などの治療では、治療開始時に卵巣に大きな機能性嚢胞がある場合、治療周期を延期することがあります。
ASRM(米国生殖医学会)では、機能性卵巣嚢胞がエストラジオールやプロゲステロンを分泌することがあり、卵巣刺激への反応などに影響する可能性があるとしています。また、実際の治療開始については、施設によって判断が異なるものの、大きな嚢胞や機能性嚢胞がある場合には治療を延期することが一般的です。
つまり、
「遺残卵胞があるから妊娠できない」のではなく、「
次の治療を始める前に、卵巣の状態を整えて確認する必要がある場合がある」
ということです。
なぜ遺残卵胞ができるの?
遺残卵胞ができる原因は一つではありません。
例えば、
- 排卵がうまく起こらなかった
- 卵胞が成長したものの排卵に至らなかった
- 排卵後も卵胞が縮小しなかった
- 排卵障害がある
- PCOS(多嚢胞性卵巣症候群)などが背景にある
- 排卵誘発などの治療周期で卵巣の反応が変化した
など、さまざまな可能性があります。
ただし、
「冷えたから遺残卵胞ができた」
「ストレスが原因で遺残卵胞になった」
というように、一つの原因だけで説明できるものではありません。
大切なのは、遺残卵胞だけを見るのではなく、月経周期や排卵の状態、ホルモン、生活習慣などを含めて身体全体を見ることです。
遺残卵胞はどうするの?
遺残卵胞が見つかった場合、まず大切なのは医療機関で経過を確認することです。
超音波検査で、
- 大きさ
- 形
- 左右どちらの卵巣にあるか
- 前回から大きくなっているか
- 小さくなっているか
などを確認します。
必要に応じてホルモン検査なども行いながら、そのまま経過を見ることもあります。
単純な機能性嚢胞の場合、多くは自然に消失します。
RCOG(英国王立産婦人科医会)も、閉経前の女性にみられる小さな単純性卵巣嚢胞は、治療を必要とせず自然に消失することが多いとしています。
そのため、
「早く消すために何かをしなければいけない」
と焦りすぎる必要はありません。
自分でできることはある?
残念ながら、
「これをすれば遺残卵胞が早く消える」という確立したセルフケアはありません。
食べ物や運動、温めることなどによって、遺残卵胞そのものを直接消すことが証明されているわけではありません。
一方で、次の排卵や妊活に向けて、身体のコンディションを整えることは大切です。
① 睡眠を整える
まず見直したいのが睡眠です。
夜更かしが続いていたり、睡眠時間が不足していたりすると、身体のリズムが乱れやすくなります。
「遺残卵胞を消すため」ではなく、
次の周期を良い状態で迎えるために睡眠を整えると考えましょう。
できるだけ毎日の起床時間・就寝時間を大きくずらさないこともポイントです。
② 食事を抜かない
妊活中は、
「体重を増やしたくない」
「ダイエットしないといけない」
と食事量を減らしてしまう方もいます。
しかし、卵巣やホルモンの働きにもエネルギーや栄養素が必要です。
極端な食事制限を避け、
- ご飯などの主食
- 肉・魚・卵・大豆製品などのたんぱく質
- 野菜
- 良質な脂質
をバランスよく摂ることを意識しましょう。
③ 適度に身体を動かす
運動不足だからといって、激しい運動をする必要はありません。
ウォーキングや軽い筋トレなど、無理なく続けられる運動を取り入れましょう。
特にPCOSなど排卵障害がある場合には、食事や身体活動を含めた生活習慣の改善が重要とされています。
ただし、
運動すれば遺残卵胞が消える
という意味ではありません。
④ 「冷え」を必要以上に恐れない
妊活では「身体を冷やしてはいけない」とよく言われます。
もちろん、冷えを感じているのであれば、冷房で身体を冷やしすぎない、湯船につかるなど、自分が心地よい方法で身体を温めるのはよいでしょう。
ただし、
「冷えが原因で遺残卵胞になった」
と決めつける必要はありません。
温めることも、遺残卵胞を直接消す治療ではありません。
鍼灸では何をするの?
では、遺残卵胞があるとき、鍼灸では何をするのでしょうか?
ここも誤解してほしくないところです。
鍼灸で遺残卵胞そのものを直接消すことを目的にはしません。
「このツボに鍼をすれば遺残卵胞がなくなる」という医学的な根拠が確立しているわけではないからです。
かすみ堂では、遺残卵胞だけを見るのではなく、
「今回の周期で、排卵がどのような状態だったのか」
という視点を大切にします。
例えば、
- 月経周期は安定しているか
- 排卵は毎回確認できているか
- 基礎体温はどうなっているか
- 睡眠時間は足りているか
- 寝つきが悪くないか
- 疲労がたまっていないか
- 食事量が不足していないか
- 月経量は多すぎたり少なすぎたりしないか
- ストレスが強くなっていないか
- PCOSなどの排卵障害がないか
などを確認します。
そして、その方の状態に合わせて鍼灸を行います。
東洋医学では「遺残卵胞」だけを治療するわけではありません
東洋医学には「遺残卵胞」という西洋医学と同じ概念があるわけではありません。
そのため、
「遺残卵胞=瘀血」
というように単純に当てはめることもしません。
月経周期、睡眠、疲労、食欲、冷え、ストレスなどを確認し、その方の体質や状態を考えながら施術を組み立てます。
例えば、疲れやすく食欲も落ちている方と、ストレスが強く睡眠が浅い方では、同じ「遺残卵胞」という状態でも身体の背景は異なります。
そのため、同じ施術を全員に行うのではなく、
その方の現在の身体の状態に合わせて整えていく
ことが大切だと考えています。
遺残卵胞があるときこそ、焦らないことも大切
「今周期も治療できない」
「また採卵が延期になった」
「このまま卵胞が消えなかったらどうしよう」
そう考えてしまう方もいらっしゃると思います。
しかし、機能性の卵巣嚢胞は自然に消えていくことも多く、遺残卵胞が一度見つかったからといって、それだけで今後の妊娠を悲観する必要はありません。
むしろ、次の周期までの時間を、
「何もできない期間」ではなく「次の周期に向けて身体を整える期間」
と考えてみてください。
睡眠を整える。
食事を見直す。
無理なダイエットをやめる。
適度に身体を動かす。
疲れをため込まない。
そして必要であれば、鍼灸などを利用して身体の状態を整えていく。
こうした小さな積み重ねが、妊活を続けていくうえで大切です。
強い痛みがある場合は注意してください
遺残卵胞や卵巣嚢胞がある場合でも、ほとんど症状がないことがあります。
一方で、
- 急に強い下腹部痛が出た
- 強い吐き気や嘔吐を伴う
- 痛みがどんどん強くなる
- お腹が急に張ってきた
などの場合には、単なる遺残卵胞と自己判断せず、速やかに医療機関へ相談してください。
卵巣嚢胞では、まれに卵巣のねじれ(卵巣捻転)など緊急の対応が必要になることがあります。
鍼灸やセルフケアで様子を見るのではなく、まず医師の診察を受けることが大切です。
遺残卵胞があると言われた方へ
「次の周期までに何をしたらいいの?」と不安になっていませんか?
かすみ堂では、月経周期や排卵、睡眠、食事などを確認しながら、次の周期に向けた身体づくりをサポートしています。
遺残卵胞そのものを鍼灸で消すのではなく、今のお身体の状態を一緒に整理し、できることから整えていきます。
まずは初回体験で、お身体の状態を一緒に確認してみませんか?
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所要時間:約90分
「どんなことをするのか不安…」という方も、まずはお気軽にご相談ください。

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